プロ野球界に大きな衝撃が走った。
東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大投手が、読売ジャイアンツへ移籍することが正式に決定したのだ。
楽天一筋で戦い続けてきた球団の象徴的右腕が、新天地として選んだのは巨人。
この移籍は単なる戦力補強ではなく、両球団の現在地と未来を映し出す“象徴的な出来事”と言える。
FA権行使から国内移籍へ ― メジャー挑戦を見送り、巨人を選択
則本昂大は2025年シーズン終了後に海外フリーエージェント(FA)権を行使した。
この決断は、将来的なメジャーリーグ挑戦を視野に入れたものであり、実際にMLB球団側から水面下での関心が伝えられていた。
しかし交渉を進める中で、
- 契約条件
- 起用法
- 年齢や役割面での評価
といった点で折り合いがつかず、国外挑戦は最終的に見送られる形となった。
その結果、則本は国内での新天地を模索。
複数球団が動向を注視する中で、最も強い誠意と明確なビジョンを示したのが読売ジャイアンツだった。
「勝負の中心で投げてほしい」という首脳陣の言葉が、則本の決断を後押ししたと見られている。
契約・待遇 ― 3年総額約13億円、背番号「43」に込められた期待
則本と巨人の契約は、3年総額約13億円。
これは球界全体を見てもトップクラスの待遇であり、即戦力かつ主軸としての起用を前提とした契約であることがうかがえる。
背番号は「43」に決定。
新たな番号とともに、則本は巨人の一員として新たなスタートを切ることになった。
阿部慎之助監督は会見で、
「まずは先発ローテーションの一角として期待したい」
と明言。
さらに、試合展開やチーム状況次第では中継ぎや終盤の重要な場面での起用も視野に入れているとし、則本の経験値と対応力を高く評価している。
経歴と実績 ― パ・リーグを代表する右腕
則本昂大は2013年ドラフト2位で楽天に入団。
プロ1年目から15勝を挙げ、チームのリーグ優勝・日本一に貢献するとともに、新人王を獲得した。
以降も長年にわたり楽天投手陣の柱として活躍し、
パ・リーグを代表するエースの一人として存在感を示し続けた。
通算成績(2025年シーズン終了時点)
- 登板:373試合
- 勝利:120勝
- 敗戦:99敗
- セーブ:48
- 防御率:3.12(推定)
先発としての実績はもちろん、近年は抑えや中継ぎとしても高いパフォーマンスを発揮。
2024年には32セーブを挙げ、最多セーブのタイトルを獲得するなど、役割が変わっても結果を残し続けてきた。
楽天一筋13年 ― エースとして背負い続けた責任
則本昂大は2013年ドラフト2位で楽天に入団。
プロ1年目から15勝を挙げ、新人王を獲得すると、その後も長きにわたり先発ローテーションの中心として君臨してきた。
- 圧倒的な奪三振力
- 感情を前面に出す闘争心
- 苦しい場面でもマウンドを譲らない責任感
これらはすべて、「楽天のエース・則本」を象徴する要素だった。
近年はチーム事情もあり、先発だけでなくリリーフ、さらには抑えも経験。
役割が変わっても結果を残し続けた姿勢は、楽天という球団にとって欠かせない存在であったことを物語っている。
なぜ移籍を決断したのか ― キャリア終盤に選んだ挑戦
則本はシーズン終了後にFA権を行使。
背景にあったのは、「残された野球人生をどう戦うか」という強い問題意識だ。
楽天では功績を残し尽くした一方で、
- チームの世代交代
- 自身の年齢と立場の変化
- 新しい環境での刺激への欲求
こうした要素が重なり、「もう一度、勝負の中心に身を置きたい」という思いが移籍を後押ししたと考えられる。
そして、その覚悟を真正面から受け止めたのが巨人だった。
巨人が則本を獲得した本当の理由
巨人が則本を必要とした理由は、単なる実績や知名度ではない。
① 即戦力として計算できる安定感
近年の巨人は、先発陣が固定できず苦しんできた。
則本は役割を問わず結果を残してきた投手であり、「シーズンを通して計算できる存在」として極めて貴重だ。
② 勝ち方を知る投手
優勝争い、修羅場、プレッシャー
そのすべてを経験してきた則本は、若手投手陣にとって最高の教材となる。
③ 起用の幅を広げる“戦略的補強”
先発、リリーフ、終盤の勝負どころ。
どこでも投げられる則本の存在は、チーム戦略そのものを柔軟にするピースでもある。
起用法はどうなる?先発か、それとも切り札か
首脳陣はまず、先発ローテーションの一角としての起用を視野に入れていると見られる。
ただし、シーズンの流れ次第では、
- 大事なカードでのスポット先発
- 勝ちパターンの一角
- ポストシーズンでの短期決戦要員
といった形で、“最も勝ちに近い場所”で使われる可能性も高い。
これは、則本が「便利屋」なのではなく、「信頼できる切り札」だからこそ成立する起用法だ。
楽天に残したもの、巨人にもたらすもの
楽天にとって、則本の移籍は間違いなく大きな痛手だ。
しかし同時に、彼が残した背中は若い投手陣に確かな基準を示した。
一方の巨人にとっては、
「勝つために必要な覚悟を知る投手」が加わった意味は非常に大きい。
数字以上に、
- 試合の空気
- ベンチの緊張感
- 終盤の重み
そうした“目に見えない部分”を変えられる存在こそ、則本昂大である。
まとめ:これは終わりではなく、再出発の物語
楽天のエースとして全力を尽くしてきた則本昂大。
そのキャリアは、巨人移籍によって新たな章へと突入する。
これは裏切りでも、逃げでもない。
「もう一度、頂点を本気で目指す」という覚悟の表明だ。
東京ドームのマウンドで、則本昂大は何を見せてくれるのか。
その一球一球が、今後のプロ野球の流れを左右することになるだろう。


コメント